ラムネのごとき
ラムネのごとき
二人の出会いを喩えるのなら
その頃人気のあったラムネのようなものですね。
ぼくが突起を押し当てて吸い口のビードロを中に押し込むと、
それまで透明だったサイダーが驚いて、シュワーッと白く泡立つのです。
漏れ出す泡に口を付け、一気に飲もうとするとビードロの玉が邪魔をする。
そんな僕を見て、きみは笑ってました。
そんな二人の仲でした。
少しづつ少しづつ味わって、やがて空になりました。
終わってしまったかを思わせますが、
ビンの中に残るカラカラとした響きが、
少しすっぱいレモネードの味を思い出させるのです。
レトロ感としてラムネ・サイダー・ビードロ・レモネード(レモネイドと書いてもよかったかも?)があり、今ではあまり知られていないかも知れないラムネの飲み方を通して、男女の駆け引きを想像させる工夫です。