ボク達は、試されている
ボク達は、試されている
神々が住む天上界は、常夏でありながら四季の風景が楽しめ、作物も豊富に実り、悩みや苦労など無縁の世界で、もちろん争い事も無い。そんな楽園を作り出し、雲のソファでくつろいでいる神の元に、羽衣をまとった息子が現れひざまずいた。
「父上。父上がこの天界の楽園を作ったように、自分も楽園を作ってみようと思います」
「ほう、自分の力を試したいというのか?」
足元にかしこまりながら深くうなずく息子の姿に。神は頼もしさを感じて顔をほころばせながら答えた。
「そうか、期待しているぞ」
息子は早速楽園作りの作業に取り掛かる。
まずは神と直接コンタクトが取れる天使を六人選び出した。次にそのサポートとして巫女を各地にちりばめた。
「これでよし、青い星に住む者たちは、お互いに接触することで影響を受ける性質がある。天使と巫女に接することで、数年後には楽園になっているはずだ」
宮殿の執務室。テーブルの上では蒼く美しい惑星の映像が宙に浮き、ゆっくりと回転している。
「早くここが楽園になるといいな」
神の力で幸せに暮らす者たちのことを思うと、自然と顔がほころんだ。
その青い惑星では、
選ばれた青い星では、すでに何十億という数の人と呼ばれる生物が暮らしていた。
人々が集まり、町が出来て、国が出来て、それぞれの考えが対立して争いごとも起きていた。
この人と呼ばれる生き物の思考と行動レベルを、全て神の領域にまで引き上げれば、平和に楽しく暮らせるのだが、その数は多く、神の息子の手に負えるものではなかった。
例えば、立ち入り禁止の場所に入って魚釣りなどをしている人は
と言える。
今までにわかった族性は三つ。回復系。増幅系。防御系。