きゃりーちゃんの文章で足りないと思える一文

Mr.X

 命を懸けてでも妹の本を返してもらいたいという動機付けの部分で、
 ぼくなら↓
「そんなの困るよ、妹から毎日急かされてるんだ。早く返してよ」
「ぐだぐだ言ってんじゃねーよ、バーカ!」
「バカでも何でも、ホントに困るんだ、返してくれないと……」
「あー、聴こえない、聴こえない、何も聴こえない!」
 耳をふさぎもせず、笑いながら立ち去る内海の姿を見送りながら、少年は昨日のことを思い出していた。
「あんな嫌われ者の内海に本を貸したのはお兄ちゃんなんだからね。明日までには返してもらってよ」
 妹の栞に気づかれた。黙って持ち出してしまった少年は、返す言葉も無い。
「新しく買ってもダメだからね。あれはお父さんからの誕生日プレゼントなんだから、お父さんの手の跡もついてるんだから」

 翌日、少年は自殺した。お通夜の席で――。
「おばさん」

 元の文章だと
「悪りい、悪りい、まだ読んでねえから今度な」
「そんなの困るよ、妹から毎日急かされてるんだ。早く返してよ」
「ぐだぐだ言ってんじゃねーよ、バーカ!」
「バカでも何でも、ホントに困るんだ、返してくれないと……」
「あー、聴こえない、聴こえない、何も聴こえない!」
 翌日、少年は自殺した。お通夜の席で――。
「おばさん」↑ここの『少年』が、後々読むと判るんだけど、初見だと本を返せない内海が亡くなったのかな?とも窺えてしまいます。
 それを防止するためにも、命をかけて本の返却を求める一文を入れて、理由付けと印象付けを一気にするというのはいかがでしょうか?

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