『ウン』と言わせる交渉術!!

Mr.X

その日は少し大掛かりのロケなので、マイクロバスのような車を借りてのロケでした。
タレントさんは直接レンタカー屋さんの方に集合で、スタッフもディレクターにAD(アシスタントディレクター)が二人、カメラマンと音声さんに照明さんもいて技術のアシスタントもいるという大人数での移動です。

ディレクターが運転するというのでナビに行き先を入れてみると、今から行く現場の隣に、そのレンタカー屋さんの支店を発見したもんだから『ここに車止めていいか聞いて来てくれ!』とADに頼んだ訳です。
腰にバックをつけた『いかにも』という若いADが車を降りてレンタカーの受付に走りました。

その交渉の様子が、ガラス張りの事務所ですから車の中から確認出来るんです。
『ずいぶん頷いてるなぁ』とハンドルを握ったままディレクターの表情が曇ります。

それでも一応ADは走って帰って来まして『どうだった?』と聞くディレクターに『それが、車がいっぱいだったら止められないので事前にこちらに連絡して、ここから相手方に連絡を取ってもらって、OKなら止められるそうです』とのこと。

それを聞いたディレクターは渋い顔で『はぁ?』と答えました。
『それで、どうなの?止められるの?止められないの?』
『ですから一度連絡をして・・・・』と運転席と助手席の二人がもめてまして、それでもスタッフは慣れたもので、少しも気にすることはありません。

『車がいっぱいだったら止められない何ていうのは当たり前だろ!そこを冗談でしょ?と、こっちはお客なんだから何とかしてくれと言ってくるのがADで、ADたる者、こういう場合はニコニコしながらOKです!って帰ってくる意外にありえない』と結論付けられました。

どうやらそれが正解らしいです。この場合。

そのくらいの事が交渉出来なきゃディレクターにはなれないぞ!と言っていましたが、本当に恐ろしい世界だなぁと思います。
そうです。基本ゴリ押しです。

確かにディレクターの中には交渉の上手い人がいて、さっきまで下手に出て腰の低い人だなぁと思っていたらいつの間にか、かなり上から『じゃ、こうしましょう』と主導権を握っている場合があります。

今国会で論戦が行われていますが、このあたりの人がいると結構強いんじゃないかと思われます。

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