小噺「健康とニコチャン」 その二

しかしタバコを吸う時に吸わない人の前でになんで「スイマセン、タバコ吸ってもいいですか?」って言うんですかね。
スイマセンって言うんだったら吸わなきゃいいのにね。
 
まあこう吸いますってーと(煙を吐きながら満足そうな顔をして)脳みその一番奥の方から
「ドーパミン」っていう気持ちよくなる成分が出てくるんだそうですね。
 
よく動物を訓練する時に、教えてる事が出来たら餌をあげますよね。その時も「ドーパミン」が出てるんですよ。「ドーパミン」が出ると気持ちいいと感じるもんですから又同じ事をやるんですね。
 
人間のタバコも吸ってしばらくするとまた気持ちよくなりたいもんだから脳みそが「また吸え!」って命令するんですよこれが。
 

いいですか、結局タバコってのは吸ってる人がいかにもおいしそうに吸っているように見えて吸わされてるんですね。
 
体に悪いことが解ってても吸いたくなっちゃうんですな。吸った後にドーパミンがドパドパ出てくるから・・・
 
まあ体に悪くたって人間は脳ミソの命令には勝てっコあるはずがないんですが、大脳とか前頭葉なんかの上のほうにある脳ミソが鍛えられてる人は勝っちゃうんですよ、欲望に!
 
ただし相当訓練しないと勝てないんですなこれが! あんまり訓練しすぎた人はいつもものすごく冷静だから、冗談言っても(かっこつけた言い回しで)「今のは最後の落ちがもう少し粋なほうが僕は好みですね。」なんて、いけ好かない奴になっちゃうんでしょうね。
 
このドーパミンが何に反応して出てくるかっていいますと・・・(隣を見て)
 
松太郎:  さっきからお前はこっちをニコニコ見てるけど誰だい、お前さんは?
 
ニコチャン:(声色を変えて)「柳家金語楼です。」「じゃなくて僕ニコチャン。」
 
松太郎: 「ニコチャン?分かり安すぎて面白くないんじゃないの?」
 
ニコチャン:「だって自分でつけた名前じゃないもん。松太郎だって普通は正しい太郎って書くんじゃないの?」
 
松太郎: 「僕の名前はきちんと柳家一兆という僕の師匠がつけてくれたいい名前ですよ。」 ニコチャン:「僕の名前だってフランス人のジーン・ニコットさんに因んでるんだよ。」
 
松太郎: 「誰だいそのジーン・ニコットってのは?」
 
ニコチャン:「インディアンが儀式で使ってたタバコをコロンブスが持ち帰ってからジーン・ニコットさんが自分で栽培したタバコの葉が偏頭痛や皮膚病に効くことを発見して、フランス王に献上したんだよ。それでその成分をニコチンと命名したんだって!そこからきてるんだよ」
 
松太郎: 「へー、じゃあお前さんはもともと薬じゃないか。」
 
ニコチャン:「エヘン。その話をすると僕はジーンとしてからニコットしちゃうんだよ・・・」
 
松太郎: 「でも見てみろ。今はものすごく悪者扱いされてるぞ。」
 
ニコチャン:「何でもそうだけど使いすぎはだめって事だよ。よくいうじゃない過ぎたるは及ばざるが如しって。」
 
松太郎: 「使いすぎが良くないのは分かるけどなんで発がん性があるんだよ!」
 
ニコチャン:「それはタバコを吸ったときに葉っぱが燃えるでしょ。その時にタールが出るんですよ。そのタールとタバコを巻いてある紙に印刷してある成分が燃えるとダイオキシンが出るんですね。このタールとダイオキシンが体に悪さをするんですよ!」
 
松太郎: 「じゃあタバコがガンになりやすいっていうのはお前のせいじゃないじゃん。」
 
ニコチャン:「そうなんだ。僕は悪くないんだ。だっていつでも僕はニコットしていたいんだもん。」(にこっとして)「柳家金語楼です。」
 
松太郎: 「まだそんなこといって、お前の話は堅いんじゃないのかい?頭も石のように硬そうだけどもっと軟らかくならないのかい?」
 
ニコチン:「だってイシが固くないと僕をやめてくれないんだもん。」
 
(三味線で終わりをしめる。)「チャン!チャン!」

その三に続く

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